中文通俗歌曲のページ

私が中国广州で遊学している時に嵌ったもの、それが中文通俗歌曲チャイニーズ・ポップスでした。当時私は中国に来てすぐで、未だ普通話〔北京語〕を話す事すら出来ず、無論学校の外では日常語として話されている廣東語に至っては「んごんごほいほい」としか聞こえない状態にありました。「あと1年もこの異郷の地で暮らさねばならぬのか」と暗鬱な日々を送っていた私はそこで良い暇潰しを求めてテレビの音楽番組を見まくっていた訳です。当然向こうの国ですから、歌といえば中文ばかりです。最初の内私はそれらに拒否反応を起こし、数少ない洋楽だけを聞いていました。ですがある日、何気無しに聞いた中文歌曲が、言葉は全然判りませんでしたが確かに胸を打ったのです。私は次の日にはそのビデオクリップに出ていた歌手の顔を頼りに(テレビに出るくらいだから新曲に違いないと考えた)捜し求め入手したCD、それが張學友(Jacky-Cheung)の『忘記@我做不到〔邦題:あなたを忘れられない〕』でした。

このCDを聞いて元々バラードが好きだった私は「日本語のポップスから消えた真のバラード曲はここにあったか」と感動し、以後彼のCDを買い漁りつづけました。中国で発売されている中文歌曲のアルバムには『国語〔北京語〕』『粤語〔廣東語〕』『台語〔福建語〕』のサブタイトルが付けられてあり、張學友のそれには当然澳語の物が多かったのですが当時の私は彼が香港四大天王の一人である(あった?)事も知らず、何故彼の普通話アルバムはこんなに少ないのかと思いつつも購入していた覚えがあります。粤語のCDには手を付ける事はしませんでした。と云うのは、漢字が同じでも読みの全く違う粤語にはついて行けなかったからです(笑)。今から考えれば其れは正しい選択だったと思います。何せ普通話すら話せない人間が、発音が廣東語の粤語アルバムに毒されてしまうと、広東人にしか通じない『廣東普通話』の使い手になってしまうからです〔実際私も廣東訛があるといわれるし〕。

それから暫くしてから、广州で出来たマレーシア人の朋友に「こいつを聞いてみろ」と手渡されたのが伍佰(Wu-Bai)の『浪人情歌』でした。彼の作風はロック演歌と云うのか、拳の回る独特の味があり、此れにも嵌りました。そして、ついに中国生活の半年目にして自分の意思で粤語のアルバムを購入する切っ掛けが訪れました。广州の天河城広場にはジャスコ〔吉之島という〕があり、そこのCD売り場で掛かっていた王菲(Feye-Wong)の『愛與痛的邊縁〔邦題:愛と痛みの狭間で〕』のビデオクリップを見た0.5秒後、僕は彼女のCDを持ってレジに飛び込んだ(「恋する惑星」風)のでした。ここからなし崩し的に中文通俗歌曲を聞き、良いと思った曲は海賊版CD〔中国は海賊版が本来の価格の1/5から1/10で売られている〕で確かめ、更に気に入ればオリジナルを購入する、という情況に陥りました。…その結果バナナだけで1週間余り生活し栄養失調で気が遠くなりましたが…

特別カラム:香港、台湾の正式版に比べると中国の現地版権取得物は値段が正式版の1/2から1/3の値段で売られている(向こうは定価と云うものが存在しない)訳だが、その分歌詞カードがお座成りな作りだったり、楽曲が欠落したり、或いは逆に凄まじくボーナストラックがついていたりといろいろある。中国に行ったら現地版権取得物のCD亦はVCDをじっくり見る事をお勧めする。思わぬ掘り出し物に出くわす事があるだろう。但し!時々とんでもない不良品が紛れ込んでいる事もあるから要注意だ!この前(99年1月)向こうで買った周潤發の「和平飯店(大陸英雄伝)、大陸での題名は『老板的故事』」VCDは後のほうがイカレれたぜ!お蔭で最初と最後のアクションシーンしかまともに判らなかった…これで正式版権授与とか言うから泣けてくる。はっ?まさか海賊版だったのか?そっそんな筈はない。俺はそのVCDを广州天河購書中心で30元で買ったのに。だとすれば最早あの国は…ヤゥモゥガウチョーア!!〔30元くらいで一々云う事か〕

お気に入り歌曲〔アルバム〕紹介
張學友
辛暁h
彭羚
張惠妹
黒豹
劉徳華
伍佰
許美静
周華健
鄭秀文
孫悦
蘇永康
王菲
許茹芸
張信哲
林憶蓮
順子
黎明
…やっと半分かい。

香港奇遇に戻る