お気に入り伍佰〔Wubai & China Blue〕の歌曲

伍佰の歌はロック"ENKA"である。歌謡曲のそれとは少々趣を異にしている。歌詞の内容がなんとなくロックである。でもその調子はENKAのそれに非常に近い。確かにビジュアル面で訴えかけるタイプの連中ではない。私に彼のアルバムを最初に聞かせてくれたマレーシアの友人も彼の顔をおっさん臭いと笑っていた。だから"ENKA"が似合うのか。浜村淳あたりならば旨くそこに漢字を当て嵌められるかもしれない。しかし気になる事が一つある。彼の顔はアルバムを出す毎に若返っているのではないか?と云う事は今後彼らの出す音楽は件の路線から若向けになってゆくのだろうか。最近の台湾語アルバムを聞いているとそんな気がして仕方がないのだが。

 

普通話

『浪人情歌』4:28

同名アルバムのタイトル曲。「不要再想E 不要再愛E…」から始まるフラレ男の悲しいまでの痩せ我慢をこれでもかと言わんばかりにぶつけてくる彼の代表曲である。曲のラストで入る語り「我想到了一個忘記温柔的E的方法…」は思わず身震いするほどけれん味に満ちたカッコ良さ。一般的な中文歌のあり方?ではフラレ男の心情を歌う場合、その内容がネガティブというかくよくよする方向に行くものだがこの歌の場合、振られた後の痩せ我慢も大した物で前述の台詞の内容は「俺は君を忘れる為の術を思い付いたぜ。俺は二度と君を想わない。二度と君を愛さない。二度と君を考える事はない。俺の命の何処にも君は居ないって事さ」というもの。この曲は劉コ華Andy Lauがカヴァーしてアルバム『愛如此神奇』に収録されてそっちの方で有名になった可能性が高いがオリジナルはあくまでもこっちである。曲タイトルにある「浪人」は中国語では放浪者を意味するもので英語題名はWanderer's Love Songである。決して今日本語で使われている意味での浪人ではない。このアルバムには他にも「牽掛」「鋼鐡男子」といった必聴の名歌が多く、「鋼鐡男子」は最近のブルース・リーをイメージ題材としたコンピレーションアルバムにも収録されていた。

 

『親愛的、@喝醉了』3:48

アルバム『愛情的盡頭』に収録。初めて聞いた時大笑いした覚えがある。普通話の歌なのだが聞き取り不能なくらい早口で歌っている。歌の内容はそのままずばりどうしようもなく酔っ払い訳の判らん事をほざく友人を目前にして途方に暮れる自分の心境を歌っている。酔っ払った相手は酒を飲んでは絡み、大声で何か喚き自分には最早理解できる範疇を超えた世界に行ってしまっている。この友人が女だとすれば余計に笑える。これでは本来の目的(笑)すら果たせないからな。歌詞は何処を取っても笑いを誘わずに入られない。テンポもよい。

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