お気に入り黎明〔Leon Lai〕の歌曲

 黎明と言えば『愛と復讐の挽歌』もとい『ラブソング』等の映画で日本でも知名度が上がって来ている、のっぺり顔のにいちゃんである。どう云うコンセプトかは判らないが彼の出演するビデオクリップは中々大掛かりで笑える物が多数見受けられ、私は彼の歌のVCDがお気に入りである。彼を確認したのは私が中国で香港のテレビを見ていて、ケータイのCMに出ているのを見た時からである。そのCMのバックで掛かっていたのが『只要為我愛一天』で、何故其れが注目されたかと言うと、そのCMがドラマ仕立てで彼(レオン)はスタントマンか何かの役で、女性と喧嘩の上自棄になったのか皆が尻込みするバンジージャンプを志願し、飛び降りてしまうというものだったからである。『何故にバンジー』という不思議さ、そして『只要為我愛一天』が何となしにこっちの好きな感じの歌だったので彼のCDを購入したのだが、結局それが切っ掛けで其れ以降のアルバムは何だかんだ言いつつも毎度購入して行く事となった。彼は北京生まれであるが、すぐに香港に移り住んだ為同じ北京生まれでも王菲とは違って、完全に香港人としてやっているようだ。この前向うに遊びに行った時、香港のバラエティーショーで彼がイーキン・チェンやジジ・リョン、ミリアム・ヤン達と出演し、ゲームに興じていたのを見てつくづく「香港の芸能人は何でもやらされるなあ」と思ったが、やはり香港スター足る物、そうでなくてはならぬとの思いも強くなった(笑)。王菲は香港人にはなれない。だが、黎明は香港人になった。彼はその感覚にすっぽりと嵌っている。それでいいのだろう。私の中国人の友人には一人、『黎明は嫌い』というのがいるのでそのわけを尋ねたら、『理由は無いが何か嫌い』と答えられて何といえば良いのか困った事がある。


粤語

『只要為我愛一天』4:03

 アルバム『IF』に収録。この歌を聴いた辺りで自覚したのは、私が好きになる歌の殆どのバックにはヴァイオリン演奏が入ると云う事だった。私の頭の中にはどうも音楽にヴァイオリンが入ると名曲に聞こえる様に回路が入っているらしく、そう云えば王菲の歌にせよ、張學友の歌にせよ、嵌る切っ掛けになった歌は全部そうだった…。この歌も云うまでも無くヴァイオリンが演奏で主要な位置を占めている。当然そのせいで(?)格調高く聞こえ、私にとって耳障りが非常に良い。歌の内容は報われない愛情を抱いた人が相手を想い、自分の想いが相手に伝わり例え唯一日でも良いから自分を愛して欲しい、其の為に死んでも構わないと願うというもの。ビデオクリップは前述のCMを更に引き伸ばした物で、バンジーのシーンもばっちり収録されている。彼の歌のビデオクリップはストーリー仕立ての物が多く見受けられ、中々に味わい深い。このバンジーの無茶しいのCMが更に強化されたものが、彼のSONY移籍後に発売されたミニアルバム『我這様愛[イ尓]』に添付されていたVCDに入っていた。そのVCDでは二曲も使ってストーリーを作り、バンジーどころかスキーでダイビングした挙句遭難、救援をケータイで呼んだのは良いが、レオン本人が救出途中でヘリコプターから落っこちると言う物だった。凄いぞ、レオン!

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