Vote right! (Polyhedron#132より)

 この記事はTRPGセッションにおいてゲームマスターへの客観的評価を下す為の指針です。DM(GM)は五つの項目においてPoor、Fair、Average、Good、Superの五段階に評価されます。では、どうぞ。

1、Organization: …とは物理的な準備についての判定です。裁定を下す為の全ての材料が用意されているか否か?そして彼(GM)が卓を制御しているか?という事です。

Poor:
PCへの提供物が与えられていない。
GMはルールブック、ダイスを忘れ、裁定用の資料或いは貴方がた(プレーヤー)への情報資料をコピーする事もない。(地図だって?君達に地図を渡さなきゃあいけないなんて考えるとでも?)
GMは騒がしいプレーヤーに対し独走を許している。

Fair:
GMは資料を所持しているが使用するのに多量の時間を消費する。(今、何処だったか捜しているんだよ…)
GMは一部のPCに時間を割きすぎ、他のPCへの対応を疎かにしている。

Average:
資料に基づいたプレイのテンポが妥当である。
プレイヤーの誰もが遊んだ時間を納得している。

Good:
ゲームより前にGMは必要な資料を切り張りしてそれをプレーヤーの為にリプリントして用意している。
(ホ?そんな無粋なものは要らないさ)

Super:
GMは前もって資料を作成しているのみならずその資料が見事に編纂されており、ストップウォッチを使って時間を正確に計り時間感覚が必要なエンカウンターにおいて対応への時間の証拠となす。
(考え込むのは良いけど、僕が偶発的に発動させる罠でその針が本当に毒塗りだとでもいうのかい?)

2、Knowledge of Scenario: …というのはシナリオをするに当たっての心の準備の事です。未知のシナリオを行うに当り特殊な情況はゲームの一時間前にはそのGMに知られているべきでしょう。

Poor:
GMは殆ど全くシナリオを読んでいない。

Fair:
GMはNPCをしょっちゅう間違える。
GMは貴方がたの行動手順を判っていない。
GMは旧知のキャラクターの個人情報や呪文に疎い。(君のキャラクターはバトルレイジャーかい?)

Average:
NPCやエンカウンターにおいてのゲームテンポが妥当である。エンカウンターの説明が迅速である事。
旧知のキャラクターについて凡そ詳しい。

Good:
特筆に価するDMである。シナリオ中の大きな矛盾についての問題解決をゲーム前に行っている。
シナリオを参照せずともNPCへの質問に答える事が出来る。("いんや、俺の母方の叔父さんとこの狗の従弟がエルミンスターのもんだったなんて事はねえよ")

Super:
シナリオ中の全情況を熟知している。("そいつは確かに俺の母方の叔母の狗の従弟だよ")
シナリオを参照する事でゲームの進行を滞らせる事はない。
シナリオ中の小さな判断の難しい問題点についてもゲーム前に解決させている。

3、Handling of Unexpected: …というのはシナリオ中に予期せぬ事態が起こった場合、GMがその情況を旨く処理できるか否かという事です。この事態の内にはPCやNPCの突然死、戦闘時に予想外の魔法の品を使用された時、或いはGMがより高度な問題解決を迫られた時などを含んでいます。

Poor:
GMは単にPC達にクリエイティヴな事を要求される行動を何も許さない。(Noooooooo....)

Fair:
GMはそう云った事態に露骨に不意を突かれた様相(息を詰まらせた様にうッと声を出すなど)を呈し、その後シナリオを再構築しようとする試みにおいて幾つかの失策を犯す。

Average:
予想外の事態を処理する事をGMは試みる。GMはシナリオの進行を妨げない能力を所持している。

Good:
少し考えただけでGMはクリエイティヴに先読みし且つ見事に問題解決を果たす。("うむ。"と歳経た竜は答えた。"お前達が儂の背中を傷つけない様に掻く事は吝かではないが、それでも儂はお前達が余り近付き過ぎる前に警告する必要がある。儂は実に大げさなものでな")

Super:
GMはそれがさも当然の事であるかのようにゲームを進行させる。勿論、事態のリカバリーも見事で貴方がたはGMがそれを予測していなかった事にも気付かないだろう。GMに何が予測できないのか聞いてみなさい。

4、Knowledge: …というのは使用するゲームのシステムに対する知識量の事で、シナリオそのものに対する知識ではありません。

Poor:
ゲームシステムそのものを判っていない。全く遊んでないくらいに。
("Fireball?そいつは飴玉の名前かい?")

Fair:
ゲームシステムについては理解があるが恰もGMをした事がないかのように毎度のルールを一々参照する。("Fireball?それは何面体のダイスでダメージを決めるんだい?")

Average:
GMはゲームに慣れており凡その知識を身に付けてはいるものの細かい描写においてはやはりルールを参照しなければならない。("Fireball…この呪文の効果範囲は…")

Good:
凡そのゲームのルールに知識があるだけではなくその特定物への関連記事に関しても知識がある。("悪いがFireballの呪文はTransmuterには唱える事が出来ないんだよ")

Super:
GMは生き字引である。ルールを読まずとも正しい情報が彼の口から流れてくる。("Transmuterに使える第3レベルの呪文を教えてやるよ")

5、Roleplaying Ability: …というのはPCに絡むNPCの演じ方であります。

Poor:
GMは演じる事も相互会話もなく淡々と文を読み上げるだけである。突っ込んだ会話を要求されると「俺は気がおかしいんだ」の代りに「彼は気がおかしいと感じる」と答えるかもしれない。

Fair:
GMは演じる事も相互会話も可能であるが常にその声の調子は変わらない。

Average:
GMは知的に演じ、会話するがNPCは何処かで聞いたような人物しかいない(男は全員XXと同じで女も全員YYと同じ様に思えるのだが…?)。

Good:
NPCは感情、個性、個人的な声の調子に渡っても演じ分けられている。PC達にとっても楽しい相互会話となろう。

Super:
NPCはどれをとってもGMの個人持ちのキャラクターの様に思えてくる。("その話し方…エルヴィス、お前なのか?")

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