兵兵賊賊〜The Bomb-Shell〜

領銜主演 徐少強 黄敏善 他

 徐亨(徐少強)は嘗ては香港皇家警察に属していたが、妻子の為に危険極まりないその職を辞して今は金融業者として暮らしていた。しかし、親子揃ってデパートに出かけた時、何者かによって仕掛けられた爆弾によって妻を失い、息子を失明させられてしまう。既に警官を辞めた徐は、自分に捜査権限などないのは判っていたがそれでも自分の手で犯人を捕らえようと一人調査を開始する。まるで呼応するかのように、その事件と前後して、ある女優に関わる人間が次々に爆弾の被害に遭い始めるのだった…

 勉強不足の為に徐少強以外の登場人物が全く誰が誰なのかさっぱり判らなかったこちらにとっては痛い作品。フィルモグラフィーにもなく、何時の作品か全く不明で、映像に登場する小物や車、徐少強自身の顔つきからして、察するに80年代の物であろう事は想像が付くのだが…
 彼が主演で且つ、妻子を殺されてしまうパターンは他にも見受けられるが、今回のそれは所謂暴走する元警官、というには程遠く、消化不良であると言う印象を拭えない。カタルシスがないのである。せめて『非情の街』の狄龍並に動いてくれれば良かったのに、敵も卑小でなんともやりきれない。尤も二十年前の香港映画にまともなストーリーを期待するのが間違いなのかもしれないが、もう少し見せ方と言うのがあるのではないだろうか、と考えてしまう。徐少強演じる徐亨も、キャラクター的にも際立った物がないのでこれと言った印象がない。敵役のイカレポンチ兄弟のヘンさは中々なのだが、其れだけではねえ。

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