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メンタルトレーニング  シリーズ4

ビジネスへの活用

  メンタルトレーニングがビジネスの分野でどのように使われているのでしょうか? 実は、ビジネスでの成功者達がおこなっている「ビジネスの成功法則」「自己実現の方法」にとり入れられています。例えば、目標達成に対する意欲を強くしたり、自分の行動を変える方法に、メンタルトレーニングが使われています。一般にビジネスの世界ではこれらを『成功哲学』といっています。また、「創造力向上」「集中力養成」「意欲向上」などの『企業研修』にも使われています。
では、メンタルトレーニングと成功哲学について説明しましょう。

『メンタルトレーニング』
一般的にメンタルトレーニングは、「リラクゼーショントレーニング」と「イメージトレーニング」が基本になっていますがそのほかにも、下記のようないろいろなテクニックやトレーニング方法があります。

・やる気を高めるための ・・・・ サイキングアップ

・集中するための ・・・・・・・ コンセントレーション・トレーニング

・最悪の場合を予測し、・・・・・ メンタルリハーサル
 
頭のなかで予行演習する 

・体の調子を整える ・・・・・・ コンディショニング・トレーニング

・積極的な考え方をする ・・・・ ポジティブシンキング

・自分に言い聞かせる ・・・・・ セルフトーク

 また、メンタルトレーニングで、目標達成のイメージを潜在意識に刷り込み、無意識の力を利用して、自分の願望を達成することができます。性格を変えることも可能でしょう。メンタルトレーニングはビジネスに限らず、日常生活すべてにおいて、自分はこうなりたいという願望や目標があれば、その達成のために活用することができるのです。

『成功哲学』
  成功哲学は、ビジネスで成功するための哲学です。「自己の願望を実現するための法則」といえます。最近は、『成功哲学』『成功法則』『願望実現』『自己変革』とさまざまなタイトルがつけられ、実に多くの本が出版されています。著者によって多少内容に違いはありますが大筋はほとんど同じです。まとめてみますと下記のようになります。

@、自分を知り、目標を明確にし、達成の期限を決める。
A、自分が目標を達成しているところをイメージする。
B、自分が目標を達成するまでの過程をイメージする。
C、心のそこから、目標が達成できると信じる。

@、現在の自分を分析したうえで、目標を決め、目標の達成期限を決めます。

  目標が「お金持ちになりたい」というのは抽象的で、いくらあれば「お金持ち」なのかわからないのでダメです。目標はなるべく具体的にしてください。また、願望を達成させる期限を決めないと、目標達成までの計画を立てることができません。計画は「現状」と「成功」を結ぶかけ橋ですからとても重要です。

A、目標達成している自分をイメージすることで、さらに目標が明確になります。

  例えば、目標が「独立して社長になる」なら、どんな会社の社長か?、どんな仕事をしているのか?、会社の様子、従業員の様子・・・・などなど、なるべく具体的にイメージします。また、何度もイメージすることで、消えていく目標達成の意欲を持続させることができます。

B、目標達成までの過程をメージすることで、途中の計画が具体的になります。

 「どのような方法で会社をつくるのか?」「どのように資金を集めるのか?」などをイメージするのです。イメージすることで、「目標達成までの方法」が潜在意識に刷り込まれ、無意識の力が願望達成するための行動に変えてくれます。

C、心のそこから、目標が達成できると信じることで、行動が積極的になります。

  心のどこかに達成できないかもしれないという不安な気持ちがあると、無意識が自分は「だめだ」「できない」と考えてしまいます。すると、潜在意識に「目標が達成できない」と刷り込まれてしまいます。そうなると、潜在意識が願望達成のじゃまをするようになってしまいます。

ここで、有名な人達の成功法則とはどのようなものか紹介しましょう。

  J・マーフィー博士が体系化した「黄金律(ゴールデン・ルール)」では、潜在意識に働きかけることにより、願望を実現する4条件として下記の項目をあげています。

1、あなたの願望をイメージする。 

2、あなたの願望を考え続ける。 

3、あなたの願望の実現を信じる。 

4、あなたの願望を実現する行動。

 また、アメリカの鉄鋼王といわれた、アンドリュー・カーネギーの成功法則をまとめた、プログラムでは願望実現の6ヶ条件として下記の項目をあげています。 

1、あなたが本当に実現させたい願望を確認する。

2、願望を達成するには、何らかの代償が必要である。

3、願望を達成するまでの「最終期限」を決める。

4、願望実現のための計画を立ててから行動開始。

5、これまでの1〜4を紙に書き、見えるところにはる。

6、起床直後と就寝直前に到達目標を音読する。

注)声に出して目標を音読することは、心理学的にも有効な方法です。

 目標をもつとき、我々が気をつけなければならないのは、「夢や目標を大きくもつこと」です。我々は、「できない」と思うことで自分に限界をつくっています。

 こんな話があります。『杭につながれた像』の話です。杭に鎖でつながれた子像は、いくら逃げようとしても杭を抜くことができません。そのうち子像は自分の力で杭を抜くことはできないと諦めてしまいます。「自分の力では杭を抜くことができない」と学習してしまうのです。すると、子像は大きくなり、力が強くなっても杭を抜こうとしません。すでに杭を抜く力があるにもかかわらず、子供のころの「自分にはできない」という記憶が、杭を抜こうとする行動を妨害するのです。
  我々も、やればできるのに、やらずにできないと思っていることが沢山あると思います。もっと自分を信じ、大きな夢や目標をもって、それを実現してください。

 次に企業研修でのメンタルトレーニングについて説明しましょう。

  企業研修では、「創造力のアップ」や「集中力の養成」などにメンタルトレーニングが取り入れられています。次に実際の企業での活用されている事例をあげてみました。

企業の職種  研修のテーマ
航空会社 整備員 「集中力強化」
生命保険 営業員 「企画力と意欲の向上」
電子関連 技術社員 「創造性開発」
コンピュータ関連 研究開発部員 「発想力向上」

ここでは、それぞれの研修の内容は紹介しませんが、「創造力の向上」「集中力の養成」「プラス思考」について、メンタルトレーニングの活用方法を紹介しましょう。

「創造力向上」「アイデア創出」の方法について

 一般的によいアイデアなどがでるのは、布団・お風呂・トイレの中で、リラックスしたときだといわれています。リラックスしたとき、ホッとしたときに、潜在意識が活動します。すると、頭の回転が鋭くなり、感が働き、能力が100%発揮できるわけです。ですから、リラックスすると創造力が向上するのです。リラックスの方法としては、メディテーション(瞑想)などがあります。また、音楽を聴いたり、散歩など気分転換するのも有効な方法です。

 こんな話があります。優秀な植木屋さんは仕事に入る前に、くつろいでこれから木を切る庭をボーッと眺めているそうです。会社人間は、すぐにサボっていると考えてしまいますがそうではありません。植木屋さんは、庭を眺めながら、完成したときの光景や木を切るための段取りを頭のなかで考えているのです。いわゆるイメージトレーニングで仕事の段取りをしているのです。なにも考えてないようで実は大切なことを考えているのです。

 わたしは、仕事のときにも、瞑想したり、ボーッとする時間が必要だと思っています。しかし、ほとんどの会社では、作業や計算していることが重要で、リラックスすること、物思いにふけることの重要性がわかってないようです。『この世の中で、最もムダ使いされているのは人間の能力である』といった人がいますが、わたしも人間の能力が十分に活用されていないのが残念に思います。

 「集中力養成」の方法について

 集中力がないと、騒がしいところなどでは気が散って集中できません。しかし、トレーニングすることにより、そのような場面でも集中できるようになります。方法は、何かひとつのものに意識を向け、その状態を持続することで集中する感覚をつかんでいきます。「ろうそくの炎をジーッと見つめる」「自分の呼吸に意識を向け、呼吸の音を聴く」「自分の心臓の音を感じとる」などです。また自分に「集中力が高まってきたぞ」と暗示をかけることで、さらに効果がアップします。

 頭のなかに何か気になることがあって集中できない時は、気になることをいったん横に置いて、気持ちを切り換えることで集中力を高めることができます。

 次のようなことをイメージしてください。「頭のなかにぬれたタオルを想像します。そのタオルをギュウッと絞ると、濁った水がたくさんでてきます。あなたの頭のなかにあった気になることも、すべてその水とともに流れて、でていってしまいます。今度はそのタオルで新しい透き通ったきれいな水をたくさん吸い込みましょう」 このようなイメージすることで、いやなことを忘れ、新しいことを頭に入れるきっかけが創れます。

 次に、ビジネスにおいての、プラス思考の重要性を説明しましょう。

 ビジネスの世界では、マイナス思考の人はネクラになる傾向が強いようです。また、マイナス思考の人は、物事の捕らえ方で自分自身が嫌な思いをすることが多いでしょう。例えば、いやな作業があったとしましょう。マイナス思考の人は、「何でこんなこと・・・」ときっといやな顔をしながら、作業をするでしょう。でも、プラス思考の人は、「どっちみちやらなければならないのなら早くやってしまおう」と、積極的に作業をするでしょう。第三者がみて、両者の印象は明らかに違います。自分自身の気持ちも違うでしょう。また、仕事を頼まれたときも、「なぜわたしがやらなければいけないの」と考えるのと、「なんだってやってやる、わたしはなんだってできるんだから」と考えるのでは、気持ちがずいぶん違います。普段からプラス思考を心がけて、楽しい人生を送ってください。きっとプラス思考で性格が変わっていく自分に気づくことでしょう。

皆さんも、メンタルトレーニングのテクニックを活用し、自分の能力を引き出し、ビジネスに役立ててください。

2001/7/1


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