ベトナミスト・ シンポ 

  時:2001年11月21日(水)  19:00 〜           場  所:泰盛ビル 2階 会議室(天王寺区小橋町10−8)  
情報提供者:坂井真樹氏        

テーマ『短句型口承文芸にみるベトナム人の女性像
 ベトナムでは、伝説や民話、神話などの昔話から、Tuc Ngu と呼ばれることわざや、CaDaoと呼ばれている歌ことわざといえるものまで口承文芸がとても発達しています。その中でも、特に短句型の口承文芸であるTuc Ngu やCa Daoには、労働生産や家庭、社会生活をとおした民衆の素朴な生活感情がうたわれており、これは、ベトナム人のアイデンティティを知るうえで、欠くことの出来ないものであるといわれています。
 ベトナムに行かれたことのある方ならみなさん感じられたことかもしれませんが、私がベトナムに行って一番印象に残ったのは、ベトナムの人の“生きるエネルギーの強さ”のようなものでした。特に、市場や路地で生き生きと活動するベトナム女性のたくましさがとても印象に残りました。
 11月のシンポジウムでは、私の修士論文のテーマでもある、ベトナムの豊かな口承文芸の中に描かれている女性像を取り上げて発表させて頂きたいと思います。
                                             

<ベトナミスト・シンポ報告>

 11月21日のベトナミスト・シンポで、私の修士論文のテーマでもある短句型口承文芸の中にみるベトナムの女性像について発表させて頂きました。
 口承文芸と呼ばれるものの中には昔話や伝説、神話などの長い話のものもありますが、ベトナムでは、特にThang Ngu(慣用
句)、Tuc Ngu(ことわざ)、Ca Dao(歌諺)といった短句型の口承文芸が発達しています。その中には、民衆の素朴な生活感情や、労働生活、経験、教訓などが歌われており、ベトナム人のアイデンティティを知る上で欠くことのできないものであると言われています。また、ベトナム人は、現在でもこういったThang Ngu、Tuc NguやCa Daoなどを日常生活のなかで多用しており、ベトナム人にとって、大変身近で欠くことのできないものでもあります。また、当然のことながら、これら短句型の口承文芸の中には、母であったり、妻であったり、嫁であったりといった女性の姿も多く詠われており、女性に関する教訓などとあわせて、ベトナムの女性像を知る上で大きな手がかりになると思われます。
 当日は、女性が題材となっている短句型の口承文芸をいくつか取り上げて、例として紹介させていただきながら、私が感じたベトナムの女性像についてお話しさせていただきました。短句型の口承文芸の中には、「貞節を守る」「幼い時は父に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従え」「親の決めた婚家に嫁ぐ」といったような、日本人にも理解しやすいと思われるような女性像が多く詠われています。しかし、夫に恐れられたりするしっかり者で、強く、たくましい女性の姿も多く詠われていて、ベトナムの生き生きとした」女性像を垣間見ることができるのではないかと思います。
 発表後の懇談会では、「ベトナム女性は従順なのか、それとも強いのか?」といった話題で盛り上がりましたが、残念ながら、答えはでませんでした。どうぞ、今後、皆さんがベトナムに行かれる際には、ベトナムの女性に注目して、その答えを見つけてみてください。当日参加いただいた皆さん、貴重なご意見を聞かせていただき、ありがとうございました。  

(坂井 真樹)




*過去のシンポジウムについては、こちらをどうぞ!
 ・ 2001.9月シンポ(百野裕子さん講演)
 ・ 2001.7月シンポ(澤井清行さん講演)
 ・ 2001.5月シンポ(瀬尾佐和子さん講演)
 ・ 2001.3月シンポ(住村欣範さん講演) 
 ・ 2001.2月シンポ(今田ひとみさん講演) 
 ・ 2000.11月シンポHuynh Thanh Xuanさん講演)
 ・ 2000.9月シンポ(小林守さん講演)