
第二次世界大戦末期にサイゴンに開設された『南学』の日本語講師兼マネージャーとして、ベトナム中・南部での日本語教育に携わられたXuanさんに、上記演目についてお話を伺います。
<ベトナミスト・シンポ報告>
ドイモイ政策が進むにつれて、多くの外国人が、様々な理由で、ベトナムを訪れるようになりました。日本人も例外ではなく、その数が増えるに連れ、日本語の需要も多くなりましたが、その当時は日本語教育といえば、Dong
Du 日本語学校、Sakura日本語学校、総合大学の外国語センター、Thanh
Binh 日本語学校などだけでした。
現在、ベトナムで日本語学習者が一番多いのは、ホーチミン市で、一万人以上の学習者がいると言われています。外国語としては、英語の次に多くの人が学習しています。日本語を教えている所と、その学生数は以下の通りです。
1)国立大学
人文社会科学大学のKhoa Dong Phuong (東方科)
約800 人
技術師範大学 約400
人
2)私立大学
外国語・コンピューター大学 約600
人
Dai Hoc Mo(Open University) 約400
人
Hung Vuong大学 約400
人
Hong Bang 大学 約400
人
Van Hien大学 約100
人
3)日本語学校
Truong Nhat Ngu Thanh Doan (青年団日本語学校)
約2300人 (共産党下の青年団の学校)
Dong Du 日本語学校 約1700人
(最も早く設立された学校)
Sakura日本語学校 約500
人( 評判はいいが、授業料も高い)
Nicco 日本語学校 約400
人
Thanh Binh日本語学校 約400
人
Tri Dung経営学校の日本語クラス 約200
人
Nam Hoc(南学) の日本語クラス (
最も小さな日本語学校、授業料無料、日本人教師を東京から派遣、教科書・辞書・教材を支給、毎年20名のみ募
集という特異な存在)
南学については、私が10年ほど勤めていたところです。以下に詳細を述べます。
ベトナムがまだフランスの植民地であったころ、サイゴン(
現: ホーチミン市) に「南洋学院」という日本人の学校がありました。そのOBの方達が、日本で、「日越文化協会」を設立し、恩返しということで、1991年にホーチミン総合大学付属南学日本語クラスの許可を取ったのです。南学日本語クラスの方針は、授業料は一切取らず、無条件の援助で、日本人の教師と教科書、教材は日本から送ること、学期は
2年、毎年20名募集する、ということでした。募集条件は、ベトナム人の学生で、25才以下、高等学校卒業者、入学試験は英語、ということでしたが、最初の年に希望者が1000人になってしまったので、第2期生から、条件は、大学卒業者になりました。サイゴン南学日本語クラスは、評判が良かったので、ベトナム中部のフエの大学でも設立して欲しいとの要望があり、フエにも南学日本語クラスができました。南学の卒業生は優秀な人が多く、現在、ホーチミン市の日本総領事館でも、4
名が採用されています。
このように、学生の数は非常に多いのですが、教師の数は足りません。日本語の教師は専任教師制度ではなく、時間給制度でやらざるを得ません。一人の教師が複数の学校を掛け持ちで教えています。週50時間も教えている人もいます。このような状態では教育の成果は高くないでしょう。国立大学でも、日本人教師に教えてもらいたいと思っていますが、まだ、ボランティア教師だけに頼っている状態です。
ホーチミン市では、今年12月3 日に国際交流基金及び日本語教育協会が、初めて、日本語能力試験を行います。この試験は、今までハノイでしか行われていませんでした。
ベトナムには、「先生の日」というお祭があります。毎年11月20日、学生達は先生に花や贈り物を送ったり、食事を招待したりします。卒業生も恩師を訪ねます。教師として一番にぎやかな日です。日本人の教師の中には
"ベトナムと心中する" という人もいます。日本語の教育は、これからもっと発展することができるに違いありません。
(シンポレジュメより抜粋)
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・ 2000.9月シンポ(小林守さん講演)