ベトナミスト・ シンポ

日  時:2000年10月25日(水)  19:00 〜             
場  所:泰盛ビル 2階 会議室                    
講演者:Huynh Thanh Xuan                      

                 (プロフィール)
                     1978年 9月    サイゴン大学日本語学科卒
                     1978〜89年    ホーチミン市総合大学教師      
                     1989〜91年    サイゴンツーリスト勤務        
                     1991年〜現在   ホーチミン市総合大学教育センター『南学』
                                 日本語クラス主任講師
                     2000年10月〜 大阪外国語大学大学院前期課程研究生 

演 目:ベトナム南部ホーチミン市の日本語学習事情(日本語で)
               

第二次世界大戦末期にサイゴンに開設された『南学』の日本語講師兼マネージャーとして、ベトナム中・南部での日本語教育に携わられたXuanさんに、上記演目についてお話を伺います。
           

<ベトナミスト・シンポ報告> 


 ドイモイ政策が進むにつれて、多くの外国人が、様々な理由で、ベトナムを訪れるようになりました。日本人も例外ではなく、その数が増えるに連れ、日本語の需要も多くなりましたが、その当時は日本語教育といえば、Dong Du 日本語学校、Sakura日本語学校、総合大学の外国語センター、Thanh Binh 日本語学校などだけでした。
現在、ベトナムで日本語学習者が一番多いのは、ホーチミン市で、一万人以上の学習者がいると言われています。外国語としては、英語の次に多くの人が学習しています。日本語を教えている所と、その学生数は以下の通りです。
1)国立大学
人文社会科学大学のKhoa Dong Phuong (東方科) 約800 人
 技術師範大学                 約400 人
2)私立大学
外国語・コンピューター大学          約600 人
Dai Hoc Mo(Open University)          約400 人
Hung Vuong大学                約400 人
Hong Bang 大学                約400 人
Van Hien大学                 約100 人
3)日本語学校
 Truong Nhat Ngu Thanh Doan (青年団日本語学校) 約2300人 (共産党下の青年団の学校)
Dong Du 日本語学校              約1700人 (最も早く設立された学校)
Sakura日本語学校               約500 人( 評判はいいが、授業料も高い)
 Nicco 日本語学校               約400 人
Thanh Binh日本語学校             約400 人
Tri Dung経営学校の日本語クラス        約200 人
Nam Hoc(南学) の日本語クラス         ( 最も小さな日本語学校、授業料無料、日本人教師を東京から派遣、教科書・辞書・教材を支給、毎年20名のみ募 集という特異な存在)
 南学については、私が10年ほど勤めていたところです。以下に詳細を述べます。
ベトナムがまだフランスの植民地であったころ、サイゴン( 現: ホーチミン市) に「南洋学院」という日本人の学校がありました。そのOBの方達が、日本で、「日越文化協会」を設立し、恩返しということで、1991年にホーチミン総合大学付属南学日本語クラスの許可を取ったのです。南学日本語クラスの方針は、授業料は一切取らず、無条件の援助で、日本人の教師と教科書、教材は日本から送ること、学期は 2年、毎年20名募集する、ということでした。募集条件は、ベトナム人の学生で、25才以下、高等学校卒業者、入学試験は英語、ということでしたが、最初の年に希望者が1000人になってしまったので、第2期生から、条件は、大学卒業者になりました。サイゴン南学日本語クラスは、評判が良かったので、ベトナム中部のフエの大学でも設立して欲しいとの要望があり、フエにも南学日本語クラスができました。南学の卒業生は優秀な人が多く、現在、ホーチミン市の日本総領事館でも、4 名が採用されています。
このように、学生の数は非常に多いのですが、教師の数は足りません。日本語の教師は専任教師制度ではなく、時間給制度でやらざるを得ません。一人の教師が複数の学校を掛け持ちで教えています。週50時間も教えている人もいます。このような状態では教育の成果は高くないでしょう。国立大学でも、日本人教師に教えてもらいたいと思っていますが、まだ、ボランティア教師だけに頼っている状態です。
ホーチミン市では、今年12月3 日に国際交流基金及び日本語教育協会が、初めて、日本語能力試験を行います。この試験は、今までハノイでしか行われていませんでした。
ベトナムには、「先生の日」というお祭があります。毎年11月20日、学生達は先生に花や贈り物を送ったり、食事を招待したりします。卒業生も恩師を訪ねます。教師として一番にぎやかな日です。日本人の教師の中には "ベトナムと心中する" という人もいます。日本語の教育は、これからもっと発展することができるに違いありません。

(シンポレジュメより抜粋)




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 ・ 2000.9月シンポ(小林守さん講演)