
| 日 時:2002年3月20日(水) 19:00 〜 場
所:泰盛ビル 2階 会議室(天王寺区小橋町10−8) 話題提供者:大川 均氏 テーマ:『作家バオ・ニンを日本に迎えて ー一参加者が見たバオ・ニン来日の経過』 |
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<ベトナミスト・シンポ報告>
「バオ・ニン氏来日余波」
小説「戦争の悲しみ」原作者バオ・ニン氏は1月18日に初来日し、27日に帰国された。この間、23日には大阪外大と当ベトナミスト・クラブを、26日には東京外大を訪問された。私はこの小説のベトナム語原著書を翻訳し「愛は戦いの彼方へ」と題して出版した。たほう井川一久氏はこの本の英訳書を重訳して出版した。井川氏の訳書は広くマスメディアで紹介されたが、実は無数の誤訳(英語からの誤訳)に覆われているうえに、政治的意図をもってほしいままに改竄したトンデモ本だった。井川氏は大新聞のサイゴン特派員、ハノイ支局長だった人だ。私は論争を挑んだ。論争はたちまち険悪化した。
ベトナム戦争当時、多くのマスコミは「解放」側の立場に立って報道した。我々はこの戦争を「解放」側の見方で見るしかなかった。真相を知るすべがなかった。たとえば、米軍による”ソンミ村の大虐殺”は詳細に知らされたが、同時期に起こった北越軍によるはるかに大規模な”フエの大虐殺”についてはほとんど知らされなかった。我々のベトナム戦争理解は偏っている。
「戦争の悲しみ」は報じられることのなかった北越軍の内情を伝える画期的な作品だ。見えなかった月の裏側を読者に垣間見させて偏りを修整するきっかけを与えてくれる。「人民軍は天使の舞台」だと公言する井川氏はこの偏りを維持させるために可能な限り底本を改竄した。
なお、井川訳の読者には本書の奔放な性的描写が保守的なベトナム文学には衝撃的な出来事だと高く評価する向きもあるようだがこうした部分は原作には存在せずすべて井川氏の創作にすぎない。
論争の課程で井川氏は雑誌「正論」に”バオ・ニン氏からの大川均氏への公開書簡”なるものを掲載した。内容は井川氏を称揚し、大川を貶め、大川訳の出版を認めない、というものだった。今回、バオ・ニン氏は「このような公開書簡は書いた覚えがない」と明言された。公開書簡は井川氏の捏造文書であることが確定した。
(大川 均)
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*過去のシンポジウムについては、こちらをどうぞ!
・ 2002.1月シンポ(吉本康子さん講演)
・ 2001.11月シンポ(坂井真樹さん講演)
・ 2001.9月シンポ(百野裕子さん講演)
・ 2001.7月シンポ(澤井清行さん講演)
・ 2001.5月シンポ(瀬尾佐和子さん講演)
・ 2001.3月シンポ(住村欣範さん講演)
・ 2001.2月シンポ(今田ひとみさん講演)
・ 2000.11月シンポ(Huynh Thanh Xuanさん講演)
・ 2000.9月シンポ(小林守さん講演)