猫のヨーロッパ名画展     Susan Herbert

Cat Portrayals in Western Masterpieces      

 印象派・後期印象派



 《エヴァ・ゴンザレス》

 原画
 エドゥアール・マネ 1832−1883年
  『エヴァ・ゴンザレス』より
 
  (ロンドン、ナショナルギャラリー)

  
  白い衣装と暗く沈んだ背景との対比がモデル
 の猫を浮き上がらせている。
  猫の頭が大きいので原画のイメージとはかな
 り違うが、モデルの女流画家の真剣な眼差しは
 変わらない。
  マネは、最初の印象主義者と言われ、新時代
 の幕開けを告げた画家だが、本人はそのように
 言われることを嫌っていたそうだ。
 《トランプをする男たち》

 原画
 ポール・セザンヌ 1839−1906年
  
『トランプをする男たち』より
 
 (パリ、オルセー美術館)

  生前ほとんど注目されることのなかったセザ
 ンヌは、孤立していたが一途に自分の絵画を
 確立するために専心した画家だ。日常生活に
 題材を求め自分で観察したとおりに描いた。
  カードをする猫たちも抜け目なく相手を見つ
 めている。  
 《タヒチの女たち》

 原画
 ポール・ゴーギャン 1848−1903年
 
 『タヒチの女たち』より
 
 (パリ、オルセー美術館)
 
  ゴーギャンは、ヨーロッパ文明の人工的な総
 てのものから逃れて南太平洋の島に移り住ん
 だ。単純化した構図で力強い造形だ。
  絵の猫たちも太い手やしっぽでとても力強い。
 《ムーラン街のサロンにて》

 原画
  アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック 1864−1901年
 
 『ムーラン街のサロンにて』より 1894年
 
 (トゥルーズ=ロートレック美術館
 

  病気で体が不自由になったロートレックは、
 19世紀末のパリの歓楽街を好んで描いた。
  けだるく客を待つ女たちも、猫になると元気
 そうに見えるから不思議だ。 
 《耳を切った自画像》

 原画
  フィンセント・ファン・ゴッホ 1853−1890年
 
 『耳を切った自画像』より1889年頃
 
 個人蔵

  ゴーギャンとの共同生活が破綻し、対立挙げ
 句の果てに自分の耳を切り取ってしまった。
  病気の発作に悩まされながらも、独自の絵画
 を切り開いた。激しい筆使いと輝かしい色調が
 この絵にも再現されている。
  猫のゴッホは悲壮感もなく、三毛猫ホームズ
 のようでなんだかおかしく、笑ってしまった。