スポーツを核とした大阪経済再生への提言
「関西ルネサンス計画」


2001年8月30日  植 田 真 司

はじめに
関西ルネサンス計画は、大阪をはじめとする関西が得意とするスポーツと文化を軸に、教育、健康、環境に配慮した明るく、楽しい街づくりを目指すもので、人々にゆとりと、安らぎを与えることができる国際集客都市として、元気な大阪にし、経済の再生を目指すものです。
ルネサンスは、14〜16世紀にイタリアに始まった人間性復興を目指した社会・文化革命運動。私の提言では、人間及び地球を尊重し、我々住民がいつも健康で、どこでも、自由に、楽しく遊べ、学べ、暮らせる21世紀の社会・文化をさします。今までの企業利益を追求する社会を見直し、人間の暮らしやすさを追求する社会をつくることが、大阪経済を再生する近道と考えます。まさに、真の顧客ニーズを実現する社会・文化づくりが、大阪経済再生なのです。
ここで、私が強調したいのは、大阪の経済再生は、企業でなく地域の住民によって行われるということです。企業が利益を追求し、自社だけ・一部の人だけが幸せになるのでなく、地域全体の利益、住民全体の利益を優先させることです。経営ではなく、経済の視点が必要になるわけです。日本経済は、戦後の復興により素晴らしい成長を遂げました。しかし、今の大阪府の現状として、治安が悪くひったくりは全国ワースト1、不健康と答える人も全国ワースト1、小・中学生の不登校者数も全国ワースト1、マナーも悪い。今、大阪がやるべきことは、健康、教育、環境等の人間の復興に基づいた経済の再生です。私は、府民に明るい生活、楽しい生活を約束することで、大阪府の再生が始まると考えます。府民の将来への希望と、安心が、活力をもたらし、産業の発展へ、消費へと向かわせるのではないでしょうか?
関西ルネサンス計画の概要ですが、これは、大阪の街にある遊園地、スポーツ施設、文化施設、伝統芸能、新喜劇、食文化等の充実を図り、住民と行政が力を合わせて、世界に認められる街づくりをする。まさに、スポーツパラダイス(大阪市のテーマ)を創り、水と緑の健康都市(大阪府箕面での宅地開発テーマ)を府下全域に広げ、周辺の京都、奈良、滋賀、兵庫、和歌山と連携したスポーツと文化の街づくりを目指すものです。そう、府民がスポーツや文化に親しむ機会を増やし、国際スポーツ・文化集客都市に育てることです。
面積約1890平方キロメートル(全国土の0.5%)、都道府県で2番目に小さい大阪(33市、10町、1村)。しかし、約880万人の住民が自分たちの為に頑張れる政策が望まれていると思います。

ここでは、特に大阪とスポーツに焦点を当て、国際スポーツ文化都市としての大阪経済再生の可能性を提案させていただきます。

 

大阪が目指し、世界が認める国際スポーツ文化都市とはどのようなものか?
  1、市民のスポーツ参加率が高く、健康である。
  2、地域スポーツクラブで住民参加の運営が盛んである。
  3、スポーツを愛する人が多く、こどもから大人、高齢者までスポーツに参加している。
  4、スポーツイベントが多く行われる。
  5、スポーツ観戦も盛んである。(プロ野球、Jリーグの収益好調)
  6、企業も、スポーツ文化に対する取り組みが盛んである。
  7、優秀なスポーツ選手が育っている。
  8、スポーツ医学やスポーツ科学が進んでいる。
  9、小学校、中学校、高校でスポーツ工学やスポーツマネジメントの教育を行っている。
  10、大学では、スポーツと社会学、経済学、経営学、産業学の研究が盛んに行われている。
  11、世界の先端を行く、スポーツ用具やウエアの開発が行われている。
  12、スポーツに関連した新しいビジネスが生まれている。
  13、スポーツに関連した芸術が盛んである。スポーツのオブジェや絵画、写真が多くある。
  14、スポーツ情報が集まりやすく、多くのスポーツ情報を発信できるシステムを持っている。
  15、スポーツ施設、指導者、ソフトが充実している。
  16、スポーツ環境(グリ−ンスポーツ)への取り組みが盛ん。
等です。


大阪は、スポーツと文化の街 (なぜ経済再生にスポーツと文化なのか?)
 今、大阪は財政危機に直面し、経済再生を目指しています。大阪の経済再生にバイオやITやベンチャーなどといわれていますが、私は大阪が得意とするものはスポーツと文化だと考えています。
一橋大学イノベーション研究所の米倉教授は、2001年7月のスポーツ産業学会基調講演で、「バイオの北海道、新素材の東北、新エネルギーの名古屋、ベンチャーの京都、環境技術の九州、エンターテイメントの大阪」と述べています。
 確かに、大阪にはバイオや医療関連会社の本社は多い。しかし、東京と大阪の両本社制をとり決裁権は東京にあり、主要な研究所も大阪にはなく地方に出てしまっているのが現実です。
 しかし、昔から大阪は文化の街としての歴史を持っています。「上方文化」が発展し、すぐれた伝統芸能や社寺や地域の祭などが数多く受け継がれています。実際、国宝・重要文化財も全国10848の内、関西には49.1%にあたる5328があり、まさしく関西は歴史文化の街といえます。 (資料-1参照)
 また、大阪は「食い倒れの街」と呼ばれ、食べるものが豊富でおいしいことでも有名です。これは、大阪が港として栄え、瀬戸内海の船の便によって、遠隔の地からの産物が運ばれてきたためといわれています。また、世界で最初のインスタントラーメン(日清食品が1958(昭和33)年に袋入りチキンラーメンを発売)、カップ入りのインスタントラーメン(日清食品が1971(昭和46)年にカップヌードルを発売)も、大阪で生まれました。まさに、食文化の街です。
 スポーツにおいては、明治36年にミズノが淀屋橋にスポーツ用品店を開業したのが、日本のスポーツ産業の始まりといわれています。日本の大手スポーツメーカーである、アシックス、デサントも大阪で育った企業です。大阪がスポーツ産業に適していた理由は、隣接する他府県がゴムや革ならびに縫製をおこなうところが多かったからといわれています。このように大阪は、スポーツ産業発祥の地という歴史的背景を持っており、他府県と協力することでスポーツ産業を発展させてきたのです。
 スポーツメーカーは、今も大阪に本社を置き、大阪を中心に活動し、大阪で世界のトップレベルのスポーツ品を研究・開発しているのです。やはり、大阪はスポーツ産業発祥の地であり、スポーツ文化の街です。
そして、今大阪にはユニバーサルスタジオ、大阪スポーツアイランドがあり、遊び文化としての要素も持っています。これらの文化とスポーツを生かすことが大切と考えます。

スポーツ産業市場は意外と大きい
 ここで、スポーツ産業の市場規模に触れておきます。スポーツ市場は、我々が思っている以上に大きな市場であり、関連する産業も多いということです。
 参考として、アメリカでのスポーツ産業の規模は1520億ドルで、アメリカ国内の産業別ランキングで11位になっています。ここでのスポーツ産業は、「スポーツエンターテイメントとしてプロスポーツチームに関連するイベント、ツーリズム、メディア」「スポーツ製品としてトレードショーや商品の開発販売」「スポーツ支援組織としてプロやアマチュアチームの運営」の3つからなっており、幅広くスポーツ産業として捉えています。この規模は、電気製品産業の1385億ドル(13位)、自動車産業の887億ドル(20位)を上回っています。(参考資料-2)
 日本では、レジャー白書によると、スポーツ市場規模は、5.7兆円となっていますが、順天堂大学の調査したスポーツイベント関連市場調査では、イベント関連だけで5.5兆円の規模があると報告されています。また、市町村が行っているスポーツイベントは含まれていないことから、全国の市町村で行われているスポーツ教室や大会(資料-3)及び、スポーツツーリズム、メディア(TV、新聞、雑誌)、自転車、スポーツ飲料などをスポーツ市場に含めば、さらに大きな規模になると予想できます。
ちなみに、日本の自動車産業の市場は、15.5兆円であり、この規模に匹敵するのではないかと予測できます。

スポーツ産業は、あらゆる産業に波及する。
 スポーツ用品は、素材として、木、皮、金属、ブラスチックが使われ、設計では物理、化学、機械工学の知識を要し、さらに人間工学、バイオメカ二クスまでが必要となります。商品も、靴、ウエア、用具、バッグ、手袋などあらゆる商品が含まれており、最近ではスポーツドリンクや、サプリメントなどもあり、ますますスポーツ産業の領域は広がっています。
 さらに、スポーツ産業は、いち早く新素材を商品に取り入れる産業であり、新素材を生む産業でもあります。新素材をはやく取り入れた例としては、カーボン繊維(ゴルフクラブのシャフト)やチタン合金(ゴルフクラブのヘッド)や高強度超軽量の3軸織物(シューズのアッパー)があります。これらの素材は、宇宙産業で開発されたものであり、高価で一般用品には使うことができないといわれていた素材です。それを、ゴルフクラブ、スポーツシューズに使用することで、量産効果により価格が低下し、航空機や自動車に使われ始めたのです。
新素材を生み出したケースでは、冬山の登山者の暖を取るために開発された発熱繊維や肌に触れると涼しく感じる冷感繊維が開発されました。
今や、世界の各国が、科学を結集してスポーツ用具・用品の開発に取り組んでおり、今後もスポーツを通して、世界レベルで新しい素材の開発競争が行われるといえます。実は、スポーツ産業は最先端の産業でもあるのです。

スポーツ産業は中小企業にメリットをもたらす。
 これらのスポーツ用品は、あまりにも種類が多く、専門的な技術が必要となるために大手企業が製造することは少なく、中小企業の手によって製造されてきたのが現状です。それゆえに、中小企業の多い大阪にとっては、スポーツ産業の発展が中小企業活性の切り口となる可能性もあります。また、すでに、世界に通用する技術で、スポーツ用品を国内及び世界に送り出している、世界に通じる中小企業が存在しています。
株式会社ゴーセン   大阪市  バドミントン、テニスラケットのガット 世界の60%
山本化学工業株式会社 大阪市  ウエットスーツ素材   世界の60%
山本光学株式会社   東大阪市 ゴーグル        国内トップシェア
サンラッキー株式会社 東大阪市 ニュースポーツ用品   国内トップシェア

大阪には伝統的な施設やイベントがある。
 大阪には、伝統のスポーツ施設があります。高校野球で有名な甲子園球場、高校ラグビーで有名な花園ラグビー場など、また、日本で最初につくられたゴルフ場(1903年)神戸ゴルフクラブもあります。

大阪は行政もスポーツに力を入れている。
大阪府では「生涯スポーツ社会づくりプラン」、大阪市では「スポーツパラダイス大阪」としてスポーツ振興計画を策定しています。「スポーツパラダイス大阪」の中では、「今後、スポーツを通じた市民の健康づくりを積極的に支援し、(中省略) 世界に向けて大阪のスポーツ文化を発信し、スポーツを通じて市民と国内外の人々との交流を深め、国際スポーツ都市を目指します」と書かれています。まさに、大阪はスポーツの街です。
ところが、問題もあります。

大阪府の現状
 大阪府の現状を見ると、安全面では、治安が悪くひったくりは25年連続全国ワースト第1位。 平成12年度は10,973件の「ひったくり」が発生しています。なんと、全国の約24%が大阪なのです。本当に、不安で住みにくいところです。 (資料-4)
 教育においても、小中学校の30日以上の長期欠席者(病気及び不登校生数)が全国でワースト1。全国13万人の不登校生の内大阪が1万人強を占めているのです。(資料-5)
 また、スポーツ参加率は高い(資料-6)ものの、病気の訴求者率(資料-7)は全国でワースト1です。
 全国的なことですが、ストレス社会において雇用者の8割が鬱予備軍といわれています。今の社会の環境は、人間に適応しにくいものになっているのではないでしょうか?
さらに、大阪では自然環境も悪化しています。

これからの大阪の目標
 大阪が国際スポーツ文化都市として認められ、住みやすい、明るい、楽しい、スポーツパラダイス、水の緑の都市にするには、上記の問題を改善する必要があります。その方法の一つがスポーツに参加することです。スポーツが上記の問題を解決してくれます。
 治安をよくするためには、大阪府民がマナーを守る習慣を身に付け、助け合いの精神を持つことです。見てみぬ振りをせずに、積極的に生きることです。これらは、スポーツから学ぶことが出来ます。
 また、今の不登校・引きこもりや携帯電話の普及という社会現象は、コミュニケーションの問題と密接に関連しています。会社や学校という枠を超えた、人とのふれあいがないからこそ今のような社会問題が増えているのではないでしょうか。ならば、みんながクラブに所属しスポーツを通して人とのコミュニケーショをつくればいいのではないでしょうか。
また、健康面においても、スポーツが役立つといえます。
(注意、ここでいうスポーツは広義に捉え、生涯スポーツを指しています)
文部科学省は、スポーツ振興施策の展開として、地域スポーツクラブを推奨しています。
文部科学省はスポーツ振興計画の中で、政策目標を「(1)国民の誰もが、それぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会を実現する。(2)その目標として、できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が2人に1人(50パーセント)となることを目指す」と掲げています。
現在、成人を対象にスポーツ参加率を調査している笹川スポーツ財団の調査結果によると、週2回以上実施している人は全国平均で40.8%となっており、近畿においては45.5%と高い数字を示しています。
よって今後の大阪の目標は、2008年までに週2回以上スポーツをする人の率を80%(これは、スポーツ参加率の世界のトップクラスの数字)とし、みんながスポーツに参加し、スポーツを通して新しい価値観をつくり、治安、教育、健康に対処していくことです。
2008年は大阪が破れた北京オリンピックの年ですが、このときに世界でもっとスポーツを愛し、明るく、楽しい、住みやすい国際スポーツ文化都市であることが、大阪の目標と考えます。
金をかけてスポーツ文化都市をつくろうとう訳ではありません。住民が健康やスポーツに興味を持ち、街が元気になれば、自然と府外、国外から大阪に客が集まる。ここに、エンターテイメントの街、国際集客都市、スポーツ文化都市としての新しい仕組みができると考えます。

大阪の課題
ここで、スポーツを軸にした大阪の経済再生のために課題を3つ示します。
現状、スポーツ文化に対する需要と供給のバランスが取れていないことが問題であります。
しかし、先に述べたように大阪にはスポーツ文化の都市にふさわしい歴史的背景があり、潜在的なニーズがあると考えます。
課題は、需要と供給を創出しギャップを埋めることと、そのための政策です。
1、需要の創出。スポーツ文化を軸に産業再生するためには、すぐれたスポーツの振興政策により、住民自体が健康の大切さ、スポーツの楽しさ、文化の奥深さを知り、率先してスポーツや文化活動に参加することが必要です。
2、供給の創出。住民が楽しめ満足できる空間、施設とソフト、国際的に集客できる魅力が大阪に多数あること。今後創っていくことが必要です。
3、その政策。住民の需要を喚起しスポーツ市場を大きくしていく。また、企業に供給を喚起しスポーツ市場に商品やソフトを投入していくためには、住民・企業等が納得できる政策と将来の中長期的な計画が必要です。

第1、需要の創出。住民のスポーツ文化意識を向上し、率先してスポーツに参加してもらうために
大阪が国際的なスポーツ文化都市となるために必要なことは、住民のスポーツへの理解・関心・参加であり、決して施設の充実やイベント・競技大会の開催そのものではない。
住民をスポーツに向かわせるには、スポーツする目的、スポーツのメリットを明確に説明し、住民のニーズを喚起する必要があり、そのために以下のような施策が考えられます。
@ 学校教育のなかで本来のスポーツの重要性を教育する。
そして、こどもが家族にスポーツの良さを伝える。
A スポーツの本来の意味は、仕事から離れて、楽しむことである。身近なもの、ハイキングや海水浴、健康教室、ウォーキング教室などの開催で、住民の理解を得て参加を促進する。
B 病院、大学などが率先して、健康教室、スポーツ教室を開催する。
C 地域スポーツクラブの推進により、府民全員にスポーツを身近なものとする。
D 地域スポーツクラブでは、こどもから高齢者までが、一緒にスポーツに取り組める場、地域のコミュニケーションの場、地域の文化を楽しむ場とする。
E 地域スポーツクラブでは、一つのスポーツをするのでなく、遊びとしてのいくつかのスポーツを楽しみ、人とのコミュニケーションの大切さをはかる。
F 大学や高校の授業で、スポーツを通して、興味を持たせて物理や化学を学ばせる。
G 大阪にあるプロスポーツチームや企業のスポーツチームと行政が手を組み、スポーツ選手が教育や交通マナーのポスターに登場し、大阪の明るい街づくりに協力するとともに、スポーツ参加を訴える。
H 小学校単位、中学校単位で地域スポーツクラブをつくり、カローリングやグランドゴルフやディスクゴルフなどのこどもからお年寄りまで参加できるニュースポーツで、市の大会、府の大会さらには全国大会まで参加できる仕組みを作る。

第2、供給の創出。スポーツパラダイス、水と緑の都市、国際スポーツ文化都市のために
元々、大阪はスポーツ産業発祥の地、大阪の繊維、神戸のゴム、奈良の革などの環境に恵まれ、栄えてきた。今度は、21世紀のスポーツライフを考える中から新しいスポーツビジネスが生まれることで、ソフトが充実すると考える。世界にスポーツ情報を発信できる街、新しいスポーツ用品が生まれる街とするために、下記のような対策が考えられる。
@ スポーツ用具だけでなく、未来のスポーツ施設、スポーツ医療、スポーツドクターの養成など、あらゆる面での取り組む。
A 東京のお茶の水にあたる、大阪のスポーツ用品街をつくる。
B スポーツ専用FM局を開局する。
C アメリカでは、トレーニング機器などの新しいものが数多く開発されている。
  大阪でも、産・官・学の連携により、新しいスポーツ・健康用品の開発を進める。
D スポーツ関連の絵画展、写真展、ポスター展などのスポーツ文化イベントを開催。
E 各企業からの協力の元で、スポーツ博物館・スポーツ図書館を設置する。
F スポーツレストラン(米国のオールスターカフェ)などスポーツ周辺ビジネスを支援する。
G 大阪スポーツ情報タウン誌の発行
H スポーツ周辺ビジネスのベンチャー支援
I 行政主導でスポーツ研究所を設置し、世界に誇れるスポーツと都市の研究を行う。
J エンターテイメントの街大阪として、遊園地のスポーツ化、御堂筋のミュージアム化
K 映画の街として、スポーツチームが、大阪のロケーション・コミットに協力しスポーツブームをつくる。
L OSI(オーサカスポーツアイランド)の24時間アミューズメント化
M 大阪ドームの経営再生に、市(地下鉄)、近鉄バファローズ、地域住民、商店街も巻き込み、総合的に、再生の方向を考える。
N 近鉄バファローズ、ガンバ大阪、セレッソ大阪、堺ブレイザーズ等、大阪のプロチームが率先してスポーツ観客動員を増加させる。
O 商店街等にスポーツ文化施設を設置し、スポーツの振興とともに商店街の活性をはかる。
P 御堂筋沿線の銀行やその他の空いたビルを、大学の分校として開校し、都市に学生と教育を取り戻す。
Q 大阪の公園を管理している行政の外郭団体(例、財団法人大阪府公園協会 等)の経営改善をし、公園で住民が楽しめる工夫をする。
R 府内のスポーツ関連施設を、地域の大学やNPOが学生やボランティアを使い管理運営する。
S 公共施設の運営に、企業スポンサーをつけ、同時にその企業のノウハウを公共施設に導入する。

第3、需要と供給の調整。行政の新たな役割
 これら住民に需要を喚起し、企業に供給を喚起するには将来の計画と納得できる政策が必要である。これには、産・官・学・住民の共同作業が欠かせないだろう。そして、その調整役が重要となるが、今の行政機関に、時代の流れに沿った顧客ニーズを理解し、マーケティングに基づいて調整できる人は少ないように思う。なぜなら、日本にスポーツ経営という学問ができたのはごく最近であり、これらを学んだ人はごく少数と思われる。 ここに行政の限界を感じる。
そこで、知識豊富な優秀な民間の人材を登用し、スポーツ政策及び経営の改善を進めるべきであり、新たな視点でスポーツや文化を見つめ直し、人間にとって必要なものを見つけ出し、今後の政策及び研究に取り組むべきと考える。
 そのために、もっと民間の経営ノウハウを導入すべきであり、人材の中途採用や一定期間や一定時間の柔軟な雇用契約をし、時代のニーズに対応できるようにすべきである。

最後に
関西ルネサンス計画は、財政だけでなく、治安、教育、健康など街としての機能にも問題があった大阪を、「街・都市は、人間が住むところ」という原点に戻り、人間性の復興をテーマに、スポーツと文化を通して、住民が元気になり、大阪に活力がよみがえり、人に喜びを与えるエンターテイメントの都市、国際集客都市として再生し、他国から多くの方が訪れる街となる物語の序説です。


資料-1
国宝・重要文化財の数                    文部科学省調査資料より
区 分 国 宝 重要文化財 合 計 全国比率
滋 賀 33 617 650 6.0%
京 都 200 1,856 2056 19.0%
大 阪 55 596 651 6.0%
兵 庫 12 390 402 3.7%
奈 良 142 1,092 1234 11.4%
和歌山 28 307 335 3.1%
近 畿 470 4858 5328 49.1%
全 国 847 10,001 10848 100.0%

参考資料2 
Sports Marketing Quarterly  Volume6・Number4より
Top25 U.S Industry Ranking (1995 Industry GDP;billion of $)
Rank Industry Size
1、 Real Estate  850.0
2、 Retail trade  639.9
3、 Wholesale trade 491
4、 Health services 443.4
5、 Construction 277.6
6、 Business services 275.3
7、 Depository institutions 223.9
8、 Utilitise 205.3
9、 Other services 194.9
10、 Telephone and telegraph communication 155.7
11、 Sports 152
12、 Chemicals and allied products 141
13、 Electronic and electrical equipment 138.5
14、 Idustrial machinery and equipment 123.3
15、 Insurance carriers 115.4
16、 Food and Kindred products 113.3
17、 Trucking and werehousing 100.6
18、 Legal services 100.5
19、 Printing and publishing 89.7
20、 Motor vehicles and equipment 88.7


参考資料3
                 文部省「社会教育調査報告書」より 平成10年度の数値
全国のスポーツ事業の数             
区  分 スポーツ教室 指導者研修会・ 講 習 会 等 スポーツ大会
実施件数 参加者数 実施件数 参加者数 実施件数
合計 主 催 78,443 6,209,895 4,393 244,781 21,501
共 催 10,079 859,229 1,823 118,173 24,879
都道府県 主 催 16,096 560,948 639 34,319 692
共 催 381 47,215 97 11,961 538
市 主 催 40,036 4,072,034 1,850 98,145 6,036
共 催 4,180 510,012 492 45,615 9,067
町 主 催 20,076 1,427,993 1,691 85,921 12,538
共 催 4,007 230,963 934 45,543 13,267
村 主 催 2,209 144,636 210 6,274 2,162
共 催 1,496 70,262 300 15,054 1,971
組合 主 催 26 4,284 3 122 73
共 催 15 777 - - 36


参考資料4
犯罪統計資料(2000年)
<2000年 全国ワースト5>
  都道府県  認知件数  全国比
順位 全 国  46,064   100.0%
 1  大 阪  10,973    23.8%
 2  東 京   5,910    12.8%
 3  千 葉   4,036    8.8%
 4  埼 玉   3,997    8.7%
 5  福 岡   3,708    8.0%


参考資料5
                          大阪の学校統計より 11年度の数値
大阪府 内わけ 全国 内わけ
11年度間 総数 全児童数に占める長欠者率 病気 経済的理由 不登校 その他 総数 全児童数に占める長欠者率 病気 経済的理由 不登校 その他
小学校 6,664 1.36 3,802 8 1,745 1,109 78,439 1.05 43,454 145 26,044 8,796
中学校 13,394 4.96 2,291 92 8,668 2,343 142,752 3.36 27,368 494 104,164 10,726


グラフに関しては、12年度の数値




参考資料6
                    笹川財団 スポーツライフデータ 2000 より
レベル0 過去1年間に全く運動・スポーツを実施しなかった
レベル1 年1回以上、週2回未満 (1〜103回/年)
レベル2 週2回以上 (104回/年)
レベル3 週2回以上、1回30分以上連続した運動時間
レベル4 週2回以上、1回30分以上、運動強度「ややきつい」以上

北海道 東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州
レベル0 30.4 40.5 25.9 29.6 28.3 22.1 35 31.5
レベル1 26.6 28.8 31.6 29.1 26.2 27.3 23.8 31.6
レベル2 7.6 3.6 5.5 9 5.2 12 11.3 8.3
レベル3 11.4 12.6 18.5 14.8 17.3 19.3 15 13
レベル4 24.1 14.4 18.5 17.5 23 19.3 15 15.5


参考資料7
平成10年  国民生活基礎調査 第4巻 都道府県編 健康
厚生省大臣官房統計情報部編
財団法人 厚生統計協会

病気の有訴者率(人口千対)
年齢 全国平均 大阪府 府の順位 大阪市
総数 304.8 347.8 ワースト1 394.7
0〜4 218.1 223.4 − 245.8
5〜14 174.9 206.8 ワースト1 211.5
15〜24 182.2 211.5 ワースト2 219.5
25〜34 232.5 276.2 ワースト1 318.5
35〜44 259.8 307.9 ワースト1 348.4
45〜54 306.5 344.4 ワースト1 363.1
55〜64 395.2 440.4 ワースト2 478.8
65〜74 502.4 562.8 ワースト2 580.2
75〜84 580.6 617.7 ワースト3 611.1
85以上 557.8 587.2 ワースト4 618.2



2002/3/1


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