南京大屠殺実證

 

 黒地に白く文字が浮かび上がる。

『この作品は国際的な人々、日本の軍並びに従軍記者が当時、当地で撮った映画に図画、資料を加えて出来たものであり、〔南京大屠殺図證〕として配給されたものである。』

…という件から始まるVCD「南京大屠殺実証」なるものは私が98年に中国で入手したものである。

先に言っておく。私は戦争そのものに対しては否定的ではあってもこう云う遣り方をする連中のやり口が非常に気に食わない。ここで云う『連中』とは、未だにこんな物を普通の書店で売り捌き反日感情を煽り立てる中国政府のやり方である!民間ならばまだ許しもしよう。だが、向こうは民間会社と云うものは有限公司といって、その活動を制限されており、其れ以外は全部国営なのである。つまり、国を挙げて反日活動を未だに続けている事になる。98年11月末から江沢民がやって来て日中友好とか云いながらその実は、全く友好もへったくれも無い、自分の国がチベットやウィグルに侵略した事を棚に上げて日本の戦争責任を事ある毎に述べ立てあまつさえ日本から金を引き出させようなどと云う全くやくざみたいな行動を行っているが、さもありなん。国内でこんな物を売っている中国が本気で友好などと云うものを考えている筈は無いのである。少なくとも中共にはそんな意思はあるまい。おっと、そこで「だって日本が悪かったのだから当然ジャン」等と考えた其処のあんた。自分で物考えた事はあるかい?何故中国と戦争する羽目になったのか、それを自分で考えた上でなけりゃそんな結論は出しちゃあいけない。ついでに言っておくが私はそんな昔の事をどうこう云うつもりも全く無い。私が言いたいのは唯一つ。

こんなのを中国の国そのものが出版していると言う事が非常に不愉快であると言う事だ。

ずばり言ってしまえばあの国を牛耳る中共には日中友好など最初から頭に無いという、その証拠がこのVCDである。

…そもそも国家間に真の意味で友好などと云うものは存在しないのかもしれない。だが、建前でも『友好』を口に出したのならば、江沢民はこんな日中友好をぶち壊しにするような物は即刻出版を差止めるべきである。それが国家間のルールではないのか。

 

作品内容

兎に角「日本人はこんなにも悪い事しましたよ」「こんなにも写真や資料が残ってますよ」的な映像のオンパレードである。見ていて気分が良くなるわけは無い。良くなる奴は「過去の日本人は鬼畜民族で今の日本人は全く違った善良な民族である。嗚呼、こんなことをしない我々はなんて良い人達なんだ」と歪んだ人道精神を持った輩か変態性欲者のどちらかであろう。

 冒頭の言葉に続き「30万の虐殺された同胞を悼み中国3500万人の死傷者の記録として」の言葉が浮かび上がる。

この数字を日本人がやったものとして鵜呑みにする奴は阿呆である。この間江沢民が日本に来て未だこの妄言をほざいていたがこの数字、どうやって割り出したのか一度聞いてみたいものである。どうやって其れだけの人間を殺せると言うのだ。原爆が何十発も落ちたのならば兎も角、相手は歩兵銃の薬莢一つが無くなっても戦闘ほったらかしにして捜すような日本軍である。この数字を鵜呑みにする輩はジョン・ウー監督の映画と現実は違うと言う事を未だ判っていないのと同レベルである。それとも、大げさな表現を好む彼等の事、案外胸の内ではその10%以下と納得しているのかもしれない。だとすればその台詞を聞いて黙っていた今の日本国総理大臣の脳みそは中国人と同じ思考法をしているに違いない。羨ましい事だ。一年滞在していた私がその辺りを理解するのに未だ納得がいかないと言うのに。

次に本作品の題名が浮かび上がる。そしてバックが紅に代わる。紅は日の丸に変わり日本軍の進撃の様子を映す。「20世紀30年代、日本軍は日本海を渡り中国の土地に侵入し偽満州国を作り溥儀をその傀儡皇帝として…」とナレーション。おいおい、偽も何も、正式な手続きを踏んでいる以上其れは無いだろう。…とまあ、万事この調子で突っ込み出来る所がいっぱいある中、記録映画?は続く。資料の中には明らかに可笑しな物も存在している。つまりは虐殺には全然関係無い代物まで資料とされている事である。例えば南京に住む30万人もの人間を当時の松井石根大将が東西南北から追い詰めて一人残らず屠殺する様命じた、等と日本語で書いてある資料が映っているのであるが屠殺と言うのは人に対して使う単語ではない。少なくとも日本語では。それに中国軍に抗日愛国者を、ってそんなのにも書いている。中国人が日本語で書いた、或いは日本人に無理やり書かせたのは明らかである。何故そんな方法を使ってまで日本軍の罪をでっち上げたいのか。日本軍が殺害した中国人のリストが一瞬映るのだけれどもその中に婦人計一人、農民計一人…何処らが屠殺なのか教えて欲しいものだ。

虐殺と言うのは抵抗能力、武器も持たない相手を一方的に殺害するから虐殺なのであって、中国軍〔国民党軍なのは南京が国民党の首都だったから間違い無い。この時点で中国軍などと言う統一化されたものは実際には存在していない。日本軍は中共軍、国民党軍を始め中国の色々な軍事集団と戦っている。当然中には日本軍に協力的な軍事集団もあったのだが中共はそんな事実は完全に黙殺している様だ〕や抗日愛国者は敵以外の何者でもないから、戦闘で殺害するのは当たり前である。中共は戦闘で死んだ人間まで虐殺されたとしているからおかしくなるのだ。此れを詐術と言わずしてなんだと言うのか。

まだある。資料の中には嘘と判っている筈の「100人切りの写真」が何か鬼の首でも取ったかのような扱いで大写しに映っているのだ。いいのか、これで。更に12月に南京入城。そこで強姦が日本軍の手によって成され3千人が屠殺された、とあり、女性のヌード写真数枚(ここで日本軍捕虜から押収したに違いないと言う中国語字幕が入る)に続き、日差しの強い中片袖まくった夏服の日本人らしき人物が中国人捕虜らしき男性を斬首する写真が数点。南京の寒さはかなり厳しい筈ではなかったか。小林よしのりの『戦争論』でもネタにされていたが此れでは信憑性が失せて行くばかりである。更に日本人東史郎氏の著作「わが南京プラ…〔後判読不能〕」が持ち出され「中国人を袋に入れて蹴り回した挙句にガソリンを掛けて火をつけた」と云う件が語られる。この辺りは後日調べてみようと思う。

その後、延々と死体と日本軍らしき人々の写真が続く(何故か、軍服の形が統一されていない。何とファッショナブルな事よ)。そして、三ヶ月後、秩序が回復された後の南京の様子が映され、嘗て南京には100万人強の人間がいたが日軍占領後には17万人に減っていた(これが虐殺の根拠らしい)などとナレーションが云うが、思いっきり最初の方のフィルムで退避する人々の姿はどうなるのだろう。あの人達は謎の虐殺を受けたらしい。また、その生活の有様は地獄の如し、というが、どう見ても今と比べても大して暮しが変わっていない。それに、恨みがましい目の人間の写真を何枚並べ立ててみても証拠としては認められまい。倒れている死体とされる映像にしても怪しい物だ。国際的とか日本側の資料と言っておきながら何か恣意的な印象を受けるのは私だけではあるまい。プロパガンダ用の作品だからか。多分そうだろう(笑)。

 赤十字と崇善堂の人間が大量の死体を埋葬したと言うナレーションと共に土饅頭が延々と見せ付けられる。何人の人間で活動すれば人力で一日一万人以上の人間を埋葬できるか疑問が残る。魔法でも使ったのだろうか。

一方、日本側の喜ぶ様も映される。そして、いち早く南京を見捨てて逃げ出した国民党の様もついでに映される。続いて、日本が国家総動員法を経て中国戦線を拡大して行く様が語られる。そして終戦。何?中国民族は勝利を収めた?其れは違うだろう。拡大していたのは明らかに日本の方だったから、結局其れはアメリカに負けた後に日本が戦闘放棄しただけだろうが。その証拠に一言も日本軍を敗走せしめたなどとは語っていないではないか。戦闘に勝って日本軍を敗走させていたのならば其れを吹聴せずにはいられまい。それが彼の国の性格だからだ。それはそれとして。終戦後中国戦線での戦争犯罪が問われ、日本軍人達が裁かれる有様が映される。言うまでも無く続くのは東京裁判のシーンである。松井大将の写真に『南京大屠殺元凶』の文字が被さる。そして判決文。近衛文麿の自殺体を映し、南京事件が中華民族にとってどれだけ大きな事件であったかを告げて終わる。

 

…所詮この程度のものである。と云うのは容易い。だが、こんなものはだからこそ発売停止にすべきである。

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