塗装するに当たって、サーフェイサー処理の上にMr.スーパークリア(つや消し)を吹いて色の食い付きを良くします。NMM塗装に使用する場合、まず黒に塗り上げてベースカラーとします。写真では全体に黒を塗っていますが、これはNMMの過程を判りやすくする為に塗ったもので、実際にはNMMを施す箇所だけ黒く塗ります。尚、ミニチュアの目に相当する部分が緑色に塗られているのは先に奥まった部分を塗っておかないと後で綺麗に色をつけるのが面倒になるからです。
塗装を開始するにあたり、グラデーションの第一層色を作成し塗装します。凡そChaos Black2に対してShadow Grey1、LichePurpleを0.5以下の割合で塗料を混合し、塗布します。この時、塗料の濃度は最低でも水2に対して塗料1の割合に薄めます。
大体の濃度の目安は写真を参考にしてください。下が透けて見える濃度の塗料が綺麗なグラデーション形成するには必要です。一度に塗ろうとせず、光沢を意識して、その箇所が若干明るくなったと感じるまで重ねて塗ります。
写真では塗料がはみ出ていますがそれらは後で修正することが出来ます。気にせず続けます。
NMMの層の構成を連続写真風にしてみました。
工程@は、基本色となった黒2ShadowGrey1の混色に、少量ずつShadowGreyを混ぜて約三層塗り重ねた状態です。この段階では殆どShadowGrey単色と変わらない色になっています。さらにShadowGrey単色を重ねて終了します。
工程Aでは、@にIceBlueを少量ずつ加えて行きます。これも約三層塗り重ねた状態です。塗り斑が出来るようだと塗料濃度が高いということですから、水を適度に加えて調節してください。
工程B更にIceBlueを加えながら重ね塗りして、IceBlue単色を重ねても違和感がないくらいまで重ね塗りが進めば、IceBlue単色を重ねて終了します。最後に単色で終了させるのは、それ以降の作業が中断してもすぐにそこからやり直すことが出来るからです。
工程Cいよいよ光沢感を出す為の最終段階であるハイライトです。白をいきなり混ぜると失敗し易いので、私は少量のSpaceWolvesGreyを加えてハイライトとします。ここでミスをするとやり直しになるので、SpaceWolvesGreyの加減と水加減には特に注意してください。塗料を筆にとって加える際に、一度筆を水に潜らせると多少調節が出来ます。
工程D三層ほどSpaceWolvesGreyを加えた塗料で重ね塗りした後に、ごく少量のSkullWhiteを加えて塗り重ねて終了します。好みに応じて、SkullWhite単色を終了とする事もあります。また、写真のように影となった部分に水3塗料1程度に薄めたDarkFlesh、或いはScabRedをさび効果として入れることもあります。
工程E食み出た部分を黒で修正して完成です。人間の肌といった滑らかな部分を塗る場合は境界を示す色(普通は黒)を侵さないように塗るのが本来の私のやり方ですが、こうした硬質な印象をもった物体を塗る場合は後から境界を塗装した方が良い効果を表す事もあります。時と場合を使い分ける事で表現の幅が拡がります。
塗装を開始するにあたり、グラデーションの第一層色を作成し塗装します。凡そChaos Black2に対してDarkFlesh1、ScorchedBrownを0.5以下の割合で塗料を混合し、塗布します。この時、塗料の濃度は最低でも水2に対して塗料1の割合に薄めます。
工程@-Aは、基本色となった混色に、少量ずつDarkFleshを混ぜて約三層塗り重ねた状態です。工程BでDarkFlesh単色を重ねた状態です。この方法のNMM塗装においてハイライトを掛ける部分は、この工程Bまでに凡その目星をつけておく事が重要です。
工程Cは、DarkFleshに少量ずつLeprousBrownを加えて三層塗った状態です。金色のNMMを塗るにあたり、ハイライトと地色との間に存在する茶色の層をはっきりさせておくと鮮やかに見えます。そんな訳で最も注意しなければならない所です。少しでもLeprousBrownがきついと感じたら、工程Dの様に一旦ごく薄めた(水3-4:塗料1程度)DarkFlesh単色を重ねて修正、調節してやり直します。グラデーションがきちんと掛かっていれば、当たりが付く分だけ元の状態に戻すのも早くなります(工程E)。
ハイライトです。工程Gは、LeprousBrownに少量ずつGoldenYellowを加えて光沢の層を形成します。写真の状態で約三層重ねてあります。塗料濃度には気をつけて落ち着いて塗り、自然に光沢が出るように塗ってください。
工程Gは、ほぼ最終段階です。GoldenYellowとLeprousBrownが大体2:1の割合の混合色になった辺りで、SkullWhiteを少量ずつ加えてゆき、切りの良い所で完成とします。
…これで現在私が確立しているNMM塗装法は以上です。時間は掛かると思いますが、一層毎の塗膜が薄いので、塗装のムラも限りなく抑えられますから、それなりの効果は得られると思います。また、面積が5mm*5mmを越える面積においての金色NMMは黒→茶色→黄色と色相を変える感覚を体得するのにそれなりの練習が必要となると思います。では、頑張ってください。