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中高年・高齢者マーケティング

40〜59歳は中高年齢という
60歳以上 は高齢者という
  また、60歳から75歳までを前期高齢者(ヤングオールド)
          75歳以上を後期高齢者(オールドオールド)と呼ぶことが多い

 

背景

  現在日本にある1200兆円という貯蓄のうち、半分の600兆円を60歳以上の高齢者が持っているといわれています。しかし、大半の高齢者は、戦後の質素を美徳とした環境で育ったために、お金を使おうとしない。一方、子育てが終わり、これから老後を楽しもうしている高齢者もいる。ここでは、高齢者の分類と、高齢者マーケットについてまとめてみる。

高齢者の分類

高齢者は、ライフスタイルで下記の4つに分類できる。

  1. チャレンジ・グループ               19%    自然を愛し勉強に勤める自己研磨型
  2. エンジョイライフ・グループ       11%    孫に美田を残さない楽天行動型
  3. コミュニティー・グループ           47%    地域で活躍する地元世話役型
  4. オールドファッション・グループ  23%    清く正しく保守堅実型

50歳から79歳までの男女600人による「高齢者のライフスタイル調査」より

  これらのグループを把握してモノづくりを進めることで、高齢者のニーズが見えてくる。
  例えば、高齢者用ウエアについて、高齢者に意見を求めると、「派手である」「地味である」という相反する意見が返ってくる。これは、上記のグループで説明すると、エンジョイグループの人は「地味である」と答え、オールドファッショングループの人は、「派手である」と答え傾向にあることが分かる。

60歳以上の高齢者は、本当にお金を持っているの?
@最も可処分所得が多いのが50歳代
A55歳になると扶養家族(子ども)が少なくなり、教育費が要らなくなる。
B意識として、50歳代<60歳代<70歳代と高齢者ほど生活に余裕があると考えている。
C60歳以上のアダルトシニアの標準世帯は、2人世帯が中心で生活に余裕がある。

その他参考データ
現在の平均寿命は、 男性
77.0歳、女性83.6歳(平成8年現在)
65歳時の平均余命は、 男性
16.9歳、女性21.5歳(平成8年現在)
60歳以上になると、精神的にも、金銭的にも、生活に余裕ができる。
ただし、お金の決定権を持っているのは、女性といわれている。
女性にとって、買物が生きがいであり、お金を使う事が人生である。

ターゲットは?   女性の心をつかめ!
  男性に決定権があるのは、限られた商品項目であることを知っておく必要がある。たとえば、スポーツ用品で言えば、おとうさんが使うスポーツ用品・用具で、ゴルフクラブと野球用具はおとうさんが購入するが、服やジャージ、シューズはお母さんが購入するケースが多い。

どうしたらお金を使ってくれるの?
 
高齢者も機会があれば町に出て活動しようと思っている。楽しい生活をおくりたいと考えている。高齢者に外にでる機会を与え、楽しんでもらうことが今後の課題となる。
  高齢者への積極的なスポーツや文化、教育の提案が望まれる。
 
例、TVコマーシャルなどで運動する気持ちにさせる。スポーツシーンを提案。
       吉永小百合がプールで泳ぐと、おばさんもプールで泳いでいるらしい…。
  例、健康づくりや楽しみのためのイベントを開催。
       ウォーキング大会、寺回り、京都散策、グランドゴルフ大会など

今後の課題

1、高齢者向けの商品開発が遅れている。
   60歳以上はまだまだ元気。だのに高齢者の用品というとすぐに介護用品を考える。 デパートの健康用品売り場を視察すれば良く分かる。杖やオムツや按摩器がおかれている。実際60歳以上の人の80%は、普通の生活をしている人たちなのに。だから、高齢者が楽しめる商品開発が遅れている。高齢者が楽しめる商品があればもっと購入するのに。早く開発しないと、海外の企業に日本の高齢者の市場を奪われる?

2、もの作り中心から、サービス中心の社会へ変化する。
  今後は、高齢者にとって、どんなサービスやコミュニケーションが必要か考える。
  21世紀は文化・教育産業の時代でもあり、高齢者も文化・教育に興味を持っている。もっと高齢者が参加できる教室や学校を考えるべきだろう。

3、ユニバーサルデザインの考え方が必要になる。
  高齢者を含めたすべての生活者が安全に、快適に過ごせえる商品を開発すること。
コンピュータも携帯電話も、高齢者が使えるように工夫を。
  高齢者においても、充分な商品説明と商品設計できっと使ってもらえる。

対策

  課題1、 高齢者のニーズ、ウォンツを見抜く必要がある。
  課題2、 高齢者自らが商品企画に参加する必要がある。

     2001/1/14


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