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メンタルトレーニング

ダイエットでの活用

 この章では、メンタルトレーニングにおけるダイエットでの応用方法を紹介しましょう。今まで、いろいろなダイエットに挑戦して成功しなかった人には耳よりな話です。

 今や、ダイエットは女性だけの問題ではなく、男性にも関心が高まりつつあります。米国では、太っている人やたばこを吸っている人は自己管理できない人、まして他人を管理することができないと判断されてしまいます。ビジネスの世界では、太っている人は管理職になれないというわけです。
 また、肥満は糖尿病や腰痛等の病の元になり、健康面でも問題になっています。スポーツの世界では、太り過ぎや体重オーバーでいろんな選手が苦労しています。女子の陸上の長距離選手などは、体重がふえると記録が悪くなると、真剣に困っています。

 今までのダイエットの方法は、カロリーを減らすための無理な食事制限や、多くの運動とか、無理をしていたのではではないでしょうか。無理をするから、継続しないし体にもよくないのです。ここでは、潜在能力に働きかけて、無理せずに痩せる方法を紹介します。『そんなこと、できるはずない』といわれるかもしれませんが、潜在意識を利用すれば可能なのです。

  では、なぜ潜在意識を利用すると楽にダイエットできるのかを説明しましょう。

  我々は、ケーキが『食べたい』『でも、痩せたい』と葛藤するとき、ほとんどの場合は、顕在意識(=理性)が「痩せたい」と考え、潜在意識(=本能)が「食べたい」と考えています。しかし、人間は、顕在意識の願望と潜在意識の願望が葛藤すると潜在意識が勝ってしまうようにできているため、結局「ケーキを食べる」を選択してしまいます。だから、ケーキを食べてしまうのです。
  そこで潜在意識に「痩せることのメリット」を理解させ、『痩せたい』という願望を持たせることが出来れば、葛藤が生まれることもなくなります。自然と『ケーキ』より『痩せる』を選択するようになるのです。このように潜在意識の願望を変えることであなたは楽にダイエットできるのです。 

 また、メンタルトレーニングのリラクゼーションやポジティブシンキング(プラス思考)によりストレスを解消し、本来人間がもっている調整機能(必要な栄養を吸収し、余分な栄養を排出し、標準の体型を保つという機能)を働かせることができます。簡単にいえば、太る体質から太らない体質に戻すことができるということです。詳しいことは、この後述べていきます。

 まずは、太る原因を探ってみたいと思います。

(1)ストレスのために、本来人間が持っている体の調整機能が働いていない。

  本来人間は、標準の体型を保ったり、健康な状態を保ったり、適度な食事量で満腹感をえたり、体に必要なものが食べたくなるシステムを持っています。しかし、ストレスのために心身のバランスを崩すと、感じるはずの満腹感がえられなくなり、必要以上に食事をとり、太る体質に変わってしまうのです。では原因になるこのストレスはどこからくるのでしょうか。「上司とのトラブル」「結婚してからの生活環境の変化」「失恋によるショック」など生活の変化や、身の回りの問題がストレスとなっているといえます。なかには、お腹が空いて食べたいのに我慢する無理なダイエットが新たなストレスの原因になっている人もいます。無理なダイエットが続かなくなったときに、それまでの「食べたい気持ちを我慢していたストレス」が反動になり一気に食べて太ることもあります。食事を抜くなどの無理なダイエットは健康上も危険ですから注意しましょう。 

(2)潜在意識に刷り込まれた幼い頃からの食生活

これは、子供が両親の食生活をまねることに問題があります。太り気味の母親や父親の食生活は、きっと一般家庭より間食が多かったり、体を動かすことが少なかったりと、何か問題があるはずです。しかし、幼い頃から親の背をみて育つ子供にとって、その親の食生活は普通の生活として記憶の奥く深くに刷り込まれてしまうのです。親の背をみて育つ子供にとって、親の食生活や生活環境が子供に影響を与えているのです。

(3)楽しくない食事

楽しくない食事、味あわずにとる食事、一人で寂しくとる食事、いやな勉強のことや仕事のことを考えながらとる食事も太る原因になります。楽しくない食事はいやいやとることが多いため、ある人は食欲が出ませんが、なかには満腹感や満足感をえることが少なくなり、つい食べ過ぎたりする人がいます。また、テレビを見ながらの食事も、テレビに集中してしまうため「食べた」という満足感をえられず、つい食べ過ぎてしまうことになります。

 では、どのように対応すればよいのでしょうか?

(1)ストレスをなくすこと

  本来人間のもっている調整機能を取り戻すためには、原因になっているストレスを取り除くことです。ストレスが自律神経を麻痺させ、心身のバランスを崩しているので、ストレスの原因をつきとめ、根本的な問題を解決することです。そして、プラス思考で物事を考え、ストレスをなくしていくと心身のバランスも調整され、本来の体型を維持する機能が働くようになるでしょう。

(2)痩せた自分を潜在意識に焼きつける

  例えば、目の前においしそうなお菓子があり、「お菓子が食べたい、でも痩せたい」といった『食べたい』と『痩せたい』の葛藤がおこった場合、つい誘惑に負けてお菓子を食べてしまいます。これは、前にも述べたように、顕在意識では『痩せるために、お菓子を食べてはいけない』と思っているのに、潜在意識では『お菓子が食べたい』と思っているからです。潜在意識に『痩せるために、お菓子を食べない』というイメージを焼きつけることができれば、顕在意識と潜在意識が争うことなく『お菓子を食べない』を選択するようになるわけです。そのためには、なるべく具体的に、自分が痩せて楽しんでいるところや、自分が痩せるまでの過程をイメージし、明確な目標をもち、潜在意識に『痩せたい、痩せるのだ』という願望のイメージを焼きつけることです。潜在意識に焼きつくと『痩せるためのプログラム』が自動的に働き、適切な判断をしてくれるようになります。

 これは、お菓子を『食べる』『食べない』だけでなく、たばこを『吸う』『吸わない』、試験勉強を『する』『しない』も同じことです。たばこは、健康のためには「吸わない」がよいに決まっているのに「吸ってしまう」。試験勉強も合格するためには「勉強をする」がよいに決まっているのに、つい遊んでしまう。これも、顕在意識の願望より、潜在意識の願望が優先されるためにおこってしまうのです。たばこを止めて、おいしい空気を吸っているところや、試験に合格して喜んでいるところを具体的イメージし、潜在意識に『真の自分の望み』を焼きつけることです。潜在意識には、隠された力があるのです。

潜在意識の働きは次のような場合にも出てきます。子供が学校へいこうとするとおなかが痛くなったりします。これは、潜在意識が「学校にいきたくない」という願望をかなえるために、腹痛をおこしているのです。

(3)楽しく食べること

健康に痩せるためには、楽しく食べることが大切です。楽しく食べるとα波がでて、快楽の脳内物質といわれているドーパミンが分泌され満腹感を得られるようになります。通常のダイエットでは、食事制限をするために、食べても満腹感を得ることができません。無理に我慢すると『食べたい』というストレスがたまり、身体のバランスを壊し、さらに満腹感が得られなくなります。そして、我慢できなくなったとき、反動で大食いをして太ってしまうのです。なかには、無理な減量から拒食症になることもあります。

  他に、適量の食事で満腹感を得る方法として、五感を使って味わいながら食事をとる方法があります。盛りつけや外の風景やクラシック音楽などを楽しみながら食事をとるのです。すると、リラックスして食事ができ満腹感が得られます。
  また、よく噛んで食べることにより、少量の食事で満腹感を得ることもできます。

  上記以外にも、音楽を聴きながらのダイエット、暗示テープを聞きながらのダイエット、ビデオをみながらのダイエットもあります。いずれも、リラックスした状態で自分の願望を潜在意識に刷り込むことで、潜在意識の力を使って願望を達成しようというものです。 

  ここで、α(アルファー)波について少し説明しておきましょう。

  脳波は、脳が活動したときに出す電圧の変化をあらわすものです。脳波は、周波数の領域によって下記のように4つに分類されています。そのなかの8〜13Hz(1秒間に8〜13回の振動)の波がα波といわれています。

δ(デルタ)波     1〜 3Hz(ヘルツ)
θ(シータ)波     4〜 7Hz(ヘルツ)
α(アルファー)波   8〜13Hz(ヘルツ)
β(ベータ)波    14〜25Hz(ヘルツ)

δ波・・・熟睡しているときにでる脳波
θ波・・・眠くなるときにでる脳波
α波・・・好きなことに熱中したり、得意なことをしているときにでる脳波
β波・・・イライラしたときにでる脳波

  α波がでているときには、潜在意識の扉が開いて、顕在意識と潜在意識の神経回路が一体となって活動するといわれており、自己の能力が十分に発揮できるといわれています。

2001/3/1


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