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大阪販売士協会 会報紙「大阪販売士」第85号より

売れない時代の感性マーケティング(4)
−色彩心理と販売−

     (有)ニーズ創造研究所 代表取締役/マーケティングプランナー 植田 真司

売れるようにするためにはどうしたら良いのか、今回は色についてです。私たちの五感にはいってくる情報量を見てみると表1のようになります。ある資料では、約87%の情報が視覚からはいってくると書かれています。このように、形や色といった情報が、販売に大きな影響を与えていることが想像できます。

表1
視覚 70−80%
聴覚 10−20%
触覚 約5%
嗅覚 約3%
味覚 約2%

  私たちは、いろいろな色があると楽しい気分になります。楽しい気分になると、購買意欲も高まります。遊園地やディズニーランドなど、本当にカラフルな色で私たちの目を楽しませてくれます。例えば、ユニクロは51色のフリースを販売して話題を呼びました。また、白とグレーが基本色だったコンピュータにマッキントッシュがカラーボディーを採用して販売台数を伸ばしました。私たちも、もっと色の演出を工夫してはどうでしょうか?そのために、色の持つ基本的な効果を学びましょう。

  色の中には次の様な効果を持つ色があります。緊張する色。リラックスする色。暖かく感じる色。寒く感じる色。重く感じる色。軽く感じる色。大きく見える色。小さく見える色。笑いを誘う色。食欲を誘う色、時間のたつのが遅く感じる色など、さまざまな色があるのです。例えば、赤い色を見ると緊張し、青い色を見るとリラックスします。暖色系(赤、黄、オレンジ)の色を見ると暖かく感じ、寒色系(青、水色、)の色を見ると涼しく感じます。約3℃程度の違いがあるといわれています。季節によって、カーテン等の模様替えをするのはそのためです。黒は重く感じ、白は軽く感じます。黒は白の約1.8倍の重さ(心理的に)に感じるといわれています。また、黒は小さく見え、白は大きく見えます。そのために、囲碁の石は白より黒の方が少しだけ大きく作ってあります。黄色は笑いを誘い、暖色系の色は食欲を誘います。スーパーの入り口付近には果物売場が設置されているのは、顧客の食欲を誘うためです。

  また、色には、目立つ色、好まれる色などがあります。日本人にとって最も目立つ色は、赤色です。赤は販売色ともいわれ、最も重要な色です。そして、人間の目は、動いているもの、変化しているものに注意が向くようになっています。パトカーや救急車が赤い光を点滅(正確には回転)させているのはそのためです。
  好きな色は、国や地域、年齢、男女、個人差により異なります。同じ日本でも、南と北では好みの色が異なります。年齢でも12〜15才は赤色、15〜20才は水色、20〜50才は青、そして60才を過ぎると茶色というように変化します。当然、その年の流行色にも左右されます。

  また、色には商品のイメージをあらわす色があります。例えば、タクワンは黄色、タラコは赤です。本当は着色してあるので、健康に良くないのですが、その商品のイメージ色になっています。また、缶コーヒーでは、ブラックは黒、ミルク入りはクリーム色、紅茶では、ストレートは赤茶色、レモンティーは黄色、ミルクティーは白色と、色が商品の内容をあらわします。このように、色は無言のメッセージを持っています。

  私が思うには、色はまだまだ活用されていません。色彩心理や、色の持つメッセージをもっと学んで、販売に繋げて頂きたいと思います。色を工夫するだけで売れる商品がたくさんあります。さあ、色に興味を持ちましょう。


2001/1
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